BIOS不要エミュレータ「xemu」の設定講座

xemuは再現性が抜群に高く互換性などゲーム動作数も多いXboxエミュレータとして有名です。同系列のXQEMUと比較すると全体的に安定しており軽快な動作をするため今一番人気と言っても過言ではありません。

公式サイトが作成した動作リストによると約59%のXboxソフトがクリアまで遊べることを確認されています。

インストール方法から起動準備など

xemu本体ダウンロード

1) 公式サイトからxemuをダウンロードしましょう。Windows/Linux/Macから使用しているOSに合わせて選択してください。xemu Wiki GitHub ※外部リンク

2) xemuはC++言語で作られておりVisual C++ 2015-2019 (32bit版)が必要になります。よく分からない場合は両方インストールしても構いません。

続いてMCPXブートROMフラッシュROM(別名BIOS)HDDイメージの3つを用意します。

著作権フリーのブートROMを利用する

XboxからMCPXブートROMを吸い出すことはかなり難易度が高く、最近では有志の方によって作成された著作権フリーのブートROMを利用する方法が一般的です。

Fancy Mouse Boot ROM (初代Xboxの合法的なブートROM) ※外部リンク

マイクロソフトのライセンスは一切含まれておらずオープンソースによって開発された合法ブートROMです。次に紹介するXbox BIOSを起動することができます。

著作権フリーのBIOSを利用する

BIOSも本来であればXbox本体から吸い出すわけですがプロテクトがかかっており思うようにいきません。そこでこちらも有志の方によって作成された著作権フリーのBIOSを利用してみましょう。

Cromwell (初代Xboxの合法的なフリーBIOS) ※外部リンク

もちろんマイクロソフトのライセンスは一切含まれておらず0から開発されたプログラムですので合法的なXboxのBIOSになります。

HDDイメージの用意

HDDイメージは著作権に触れないためxemu公式サイトによって用意されています。ビルド済みの8G Xbox HDDイメージをダウンロードしましょう。GitHub: xemu-hdd-image ※外部リンク

Xboxゲームソフトの用意

xemuはDVDドライブから読み込むことはできないため吸い出してISOイメージにする必要があります。専用ツールを利用することでお手軽にイメージ化できます。

Xbox Backup Creatorによるバックアップ

xemuを起動する

全ての準備が整ったらいよいよxemuの起動へ移ります。本体をダウンロードしてお好みのフォルダに解凍したら「xemu.exe」を探しましょう。

ファイルの場所を指定する

xemu:ファイルの場所を指定する

起動したら最初に設定画面へ移動します。アプリ左上にある「Machine」から「Settings」を選択してください。

先ほどダウンロードしたMCPXブートROMフラッシュROM(別名BIOS)HDDイメージの3つのファイルを任意のフォルダへ移します。考えるのが面倒な人はxemuのフォルダ内にすべてまとめてぶちこみましょう

著作権フリーファイルで揃える

全て著作権フリーファイルを利用したと仮定すると以下のようになるかと思われます。

xemu BIOS指定
Flash (BIOS) File cromwell.bin
MCPX Boot ROM File mouse_rev0.bin
Hard Disk Image File xbox_hdd.qcow2
EEPROM File eeprom.bin

基本的な設定は以上で終了です。xemuはまだ研究段階のエミュレータなので日本語化や便利機能などは搭載されておりません。

イメージ化したゲームソフトを起動する

xemu:ゲーム起動

続いてゲームを起動するときは先ほどイメージ化したファイルを読み込めば完了します。「Machine」メニューにある「Load Dick」を選択しましょう。

推奨PCスペック

xemuは他のXboxエミュレータよりも軽い動作が特徴でそこまでスペックを必要としません。体感としてはWii U以上PS3以下といったところでしょうか。

Xboxは当時としてはスペックが高めの3コアCPUを使用しているためエミュレートするときもCPU重視の構成にしたほうが良いかと思われます。

対応OS Windows/Linux/Mac
推奨CPU Intel Core i3 10100以上 (3.6GHz 4コア8スレッド)
AMD Ryzen 5 3500以上 (3.6GHz 6コア6スレッド)
推奨GPU NVIDIA GeForce GTX 1050以上
※2Dや軽い3DゲームならAPUでも可
メモリー 8GB以上

xemuのレビュー

公式スクリーンショット
xemu起動画面
再現性
コスト フリーソフト(無料)
機能性 ゲームパッド/スクリーンショット/ネットワーク
将来対応予定
日本語 非対応
BIOS 必要
著作権フリーのブートROM
著作権フリーのBIOS
プラグイン 不要
RetroArch 非対応
エミュ公式  GitHub – mborgerson/xemu

xemuはXQEMUから派生したXboxエミュレータです。特徴としては動作が軽く実行時も安定性しており、実機に近い再現性を追求しているため現段階で最も完成しているエミュレータと言っても過言ではありません。

グラフィックやサウンドの改善、さらにフリーBIOSへの互換性も考慮するなど活発的に開発されておりまだまだ進歩します。RPCS3やCemuにあるような超高画質化はできませんがいずれ再現性の向上へと向かうことでしょう。

Xboxゲーム対応率は59%

公式が作成したxemu Compatibility Listによると確認されたソフトのうち59%がクリアまで問題なく遊ぶことができると報告されています。

再現性や機能面を充実するよりもまずは互換性を重視する方針で着々とゲーム動作数が増えているためお手持ちのソフトを試してみてはいかがでしょうか。

著作権フリーBIOSに対応

xemuを使用する上で最も嬉しい点は著作権フリーのBIOSに対応していることでしょう。※XQEMUは対応していません

Xbox本体からブートROMやBIOSを吸い出す事は難しく諦めかけていましたが、近年は有志の方々によって作成されたフリーBIOSに対応したことで遊びやすくなりました。