N64エミュレータの解説評価 PC版
N64エミュレータの歴史は長く1999年に突如現れたUltraHLEはあまりの完成度の高さに任天堂から圧力を受けて公開からわずか10日で開発終了した伝説のエミュレータです。
あれから20年以上が経過して解析がおおよそ完了しているため再現性に特化したものから様々な機能性に優れたのもあり多種多様です。惜しくはどれも完全な互換性までは一歩足りない印象を受けます。
エミュレータ | 再現性 | 起動率 | BIOS | プラグイン | 日本語 | 簡単設定 | RetroArch |
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m64p (Mupen64Plus) |
★★★ | ★★☆ | 不要 | 必要 | X | O | O |
Project64 Netplay | ★★★ | ★★☆ | 不要 | 必要 | O | X | X |
ParaLLEl | ★★★ | ★★☆ | 不要 | 不要 | O | O | O |
m64p(Mupen64Plus)のレビュー
起動画面 | |
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再現性 | ★★★★☆ |
コスト | フリーソフト(無料) |
対応OS | Windows/Linux/Mac/Android |
推奨CPU | Celeron G5900以上 (3.4GHz 2コア4スレッド) AMD Athlon 3000G以上 (3.3GHz 2コア4スレッド) |
推奨GPU | AMDは内蔵GPUでサクサク動きます ※Intel内蔵GPUでも動くけど非推奨 |
機能性 | フルHD/セーブステート/ネットプレイ |
日本語 | 非対応 |
BIOS | 不要 |
プラグイン | 必要 |
RetroArch | 対応 |
エミュ公式 | ![]() |
m64pはMupen64Plusを扱いやすくまとめたものでGUI化して簡単に起動できるようになりました。再現性が高いGLideN64プラグインも標準で付属されており最も完成度が高いN64エミュレータだと思います。
Mupen64シリーズは様々な種類が出回っているため混乱しますが全て一つにまとめられたこちらのm64pさえ抑えておけば解決です。
m64p = Mupen64Plus + GUI + GLideN64 + NetPlay
フルHDで描画することも可能でパソコンの必要スペックは若干高くなりますが実機を超えるグラフィック再現も実現可能になります。
標準でネットプレイ対応
再現性や互換性にある程度目処がたつと次に目指す機能としてネットプレイがあります。m64pも標準でネットプレイに対応してクラウドシステムを利用することで接続できます。
もちろん無料で利用可能でゲーム特化のチャットアプリDiscord:m64pに接続すればいつでもネットプレイしやすくなります。
ゲーム動作率には自信あり
正確な再現性に特化したParaLLElというエミュはRetroArchが必須で独特な操作感になっており単独で動作するこちらのm64pをオススメします。現存する中で最も高いゲーム動作率を誇ります。
日本語非対応でプラグイン式なエミュレータなので初心者にハードルが高いかもしれませんが標準で同梱されているプラグインで特に問題なく遊べるとおもいます。
エミュレータ対応の実機コントローラーまとめ | |
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Project64 Netplayのレビュー
起動画面 | |
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再現性 | ★★★★☆ |
コスト | フリーソフト(無料) ※Project64は有料 |
対応OS | Windows |
推奨CPU | Celeron G5900以上 (3.4GHz 2コア4スレッド) AMD Athlon 3000G以上 (3.3GHz 2コア4スレッド) |
推奨GPU | AMDは内蔵GPUでサクサク動きます ※Intel内蔵GPUでも動くけど非推奨 |
機能性 | 4K出力/セーブステート/ネットプレイ |
日本語 | 非対応 ※Project64は日本語対応 |
BIOS | 不要 |
プラグイン | 必要 |
RetroArch | 非対応 |
エミュ公式1 | ![]() |
エミュ公式2 | ![]() |
UltraHLE伝説に続いて第二の伝説を作ったエミュレータがこちらのProject64です。
10数年経過した今でもユーザー数が多いため設定方法で分からないことがあれば情報がたくさん転がっており初心者でも扱いやすいこともメリットの一つでしょう。
Project64 Netplayは名前の通りネットプレイに対応して公式最終バージョンである2.3.2ソースをもとに構築されました。GLideN64やAzimer’s Audioが標準搭載されてプラグインを別途用意せずとも快適に遊べることが特徴です。
基本的な部分はProject64そのまま受け継いでおり昔も今も変わらない高い完成度を持っています。
ネット対戦するならProject64シリーズ
描画の正確性では最近登場したParaLLElに先を譲り、また互換性の面ではm64pのほうが優位な位置にいますがネットプレイをするならばユーザー数が多いProject64シリーズをオススメします。(Mupen64シリーズと比較するとオンラインユーザー数に5倍近く差がありました)
ラグはそれなりにあるほうで反射速度が要求されるゲームで遊ぶことが難しい反面、長めの猶予を確保してあるため切断されることが少なく安定的なネットプレイが可能です。
ParaLLElのレビュー
起動画面 | |
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再現性 | ★★★★☆ |
コスト | フリーソフト(無料) |
対応OS | Windows/Linux/Mac/Android |
推奨CPU | Celeron G5900以上 (3.4GHz 2コア4スレッド) AMD Athlon 3000G以上 (3.3GHz 2コア4スレッド) |
推奨GPU | AMDは内蔵GPUでサクサク動きます ※Intel内蔵GPUでも動くけど非推奨 |
機能性 | 4K出力 |
日本語 | 非対応 |
BIOS | 不要 |
プラグイン | 不要 |
RetroArch | 対応 |
エミュ公式 | ![]() |
ParaLLElは2020年に登場したばかりの新しいN64エミュレータでRetroArchのコアとして利用できます。単独起動できないため独特の操作感覚は賛否両論ありますね。
特徴としては実機に近い自然なグラフィックの再現性を目標としており、実機を超えた画質で遊べるMupen64やProject64とは方向性が異なります。しかしながらアップスケーリング技術により4K相当に描画しなおすことで実機より明らかに高画質なグラフィックを体感できます。
HLEとLLEの違い
エミュレーションにはHLE/LLEの2種類ありHLEは実機とは異なる描画を用いて再現を目指す方法で、LLEは実機の描画をエミュレートする方法になります。ParaLLElはLLE方式を採用しているため正確性が最も高いエミュレータとして人気があります。
HLE(Mupen64/Project64)は描画を省くため軽い動作が特徴です。当初は低い再現性を推移していましたが開発し続けた今では実機をはるかに超えるグラフィック能力を身につけました。
LLE(ParaLLEl)は実機の計算そのままエミュレートするため処理が重くなることが特徴です。正確性を目指すため実機を越えるグラフィックで遊びたい人には合わないかもしれません。
NINTENDO64本体のスペックと成り立ち
CPU | NEC VR4300カスタム 93.75MHz |
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GPU | SGI Reality Co-Processor 62.5 MHz |
メモリ | Rambus RDRAM 500MHz 4.5MB |
1996年6月23日に発売されたNINTENDO64(ニンテンドー64)は任天堂が開発販売した家庭用ゲーム機です。ゲームの世界で自由自在に遊ぶためコントローラーに3Dスティックが導入されました。(ライバルのプレイステーションは十字キーのみ)
当時すでに大容量なCD-ROMが主流になりつつありカセットを継続したN64は高価格・低容量でゲーム開発が難しくサードパーティから敬遠されてしまいます。
影響力が大きいスクウェア/エニックスがPS1に移行したことによりRPGが好きな人はPS1を、アクション系が好きなら任天堂を選択するようになり現在もその流れを継承していると思います。
N64は失敗だと公式から発表されましたが任天堂が作るソフトはどれも名作揃いで今も多くのファンが魅了されていますね。
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